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2014-01-06

ソース(記事原文):About.com

関節リウマチの治療に用いるメトトレキサートは化学療法とみなされる?

About.com(2014年1月6日) ― キャラル・ユーステス(Carol Eustice)著

患者は心配した方がいいのか?

関節リウマチ患者の中にはメトトレキサートを処方された際に不安を感じる人もいる。この薬剤は癌の治療に用いる化学療法剤として知られている。一方、メトトレキサートを関節リウマチに処方した場合、これを化学療法剤とみなし、分類するのは正しいことなのだろうか。こうした疑問を軽視する人もいるかもしれないが、間違った考えが、患者に不要な恐怖感を抱かせたり、役立つはずの薬剤使用を控えさせたりするとしたら、この疑問は極めて重要であると言える。事実を見極めてみよう。

概略

50年以上前に、メトトレキサートは増殖抑制効果を有するとして癌の治療薬として導入された。この約25年間は、関節リウマチとその他の特定のリウマチ性疾患を治療するための疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)として一般に使用されてきた。実際に、メトトレキサートは関節リウマチ治療における標準的治療法または第一選択薬とみなされている。

「関節リウマチ:早期診断と治療(Rheumatoid Arthritis: Early Diagnosis and Treatment)」という本の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)に関する一節によれば、「本剤が人気を得ている理由は、使いやすさ(週1回の経口または皮下投与)、明確に定義された毒性、臨床効果の速やかな発現(通常6~8週以内)、持続性、低コスト、その他のDMARD療法と併用した場合の上乗せ効果、そしてX線画像で確認できる骨関節病変の出現を遅らせることにある。

メトトレキサートの作用する仕組み

前述の毒性は、ジヒドロ葉酸還元酵素の抑制と、葉酸の産生に関連していると考えられている。メトトレキサートを疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)として使用した場合、薬効は既知の抗炎症性媒介物質アデノシンの誘発に関連しているとみられる。メトトレキサートの葉酸産生効果を高めるため、毎日の葉酸補給がリウマチ性疾患患者に対する標準的治療に組み込まれる。

メトトレキサートを化学療法剤として用いると、細胞はDNAおよびRNAの生成に用いる葉酸を使用できなくなり、結果的に癌細胞の増殖が遅くなる。

疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)は低用量にする必要性

メトトレキサートを化学療法剤として用いる場合には、中等量から高用量で投与する。患者の体格、治療する癌の種類、腎機能によって用量が決まる。500mg/m2以上が高用量、50~500mg/m2が中等量とされる。50mg/m2未満は低用量とみなされる。

メトトレキサートを関節リウマチ治療に用いる場合には、通常7.5~10mg/週の低用量で開始する。必要に応じて、最高25mg/週まで徐々に増量してもよい。

副作用または毒性が起きたら、メトトレキサートの用量を減量、もしくは内服薬から注射に切り替えることで、問題は解決されると考えられる。問題を早期発見し対処するために、メトトレキサート投与患者に定期的な血液検査(全血球数、肝臓・腎臓の特性)を行う。ごく稀の重篤有害事象が起きた場合には、メトトレキサートを中止する必要がある。

結論

メトトレキサートは化学療法剤として用いられることから、この薬剤に危惧の念を抱くべきかどうかについてリウマチ専門医スコット・ザシン(Scott J. Zashin)博士(www.scottzashinmd.com/)にコメントを求めると、同氏は「化学療法では高用量のメトトレキサートが用いられるのに対し、リウマチ専門医が用いるのは抗炎症作用を得るための低用量のメトトレキサートである。NSAID薬(一般的な関節リウマチの治療薬である非ステロイド性抗炎症薬)とメトトレキサートとの間の薬物相互作用の可能性について薬剤師が注意喚起することは珍しくないが、関節リウマチに対する低用量メトトレキサートとの間の相互作用に臨床的意義は認められないとみられる。副作用が起きる可能性を低く抑えるために、週1回のみ処方されている点については、患者も念頭に置く必要がある」


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