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2013-02-27

ソース(記事原文):メドペイジ・トゥデイ

胎児に対するオンダンセトロンの安全性が研究により裏付けられる

メドペイジ・トゥデイ(2013年2月27日)― 特別編集者トッド・ニール(Todd Neale)

監修:ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院(Perelman School of Medicine at the University of Pennsylvania)の教官ペリー・ウィルソン(F.Perry Wilson)と、正看護師で看護プランナー(Nurse Planner)のドロシー・カプト(Dorothy Caputo)

妊娠中における制吐薬オンダンセトロンの使用は、胎児の転帰不良に関連しないことが、観察研究で明らかにされた。

コペンハーゲンにあるデンマーク国立血清学研究所(SSI:Statens Serum Institut)のビョルン・パステルナーク(Bjorn Pasternak)博士らによれば、オンダンセトロンを服用した女性と、服用しなかった女性との差を評価したところ、オンダンセトロンと、自然流産、死産、主要な出生時欠損、早産、出産時低体重児、または乳児が妊娠期間に比べて小さい場合との間に有意な関連性はなかった。

今回の結果は「オンダンセトロンに関連する有害作用の可能性は完全に排除できないものの、妊娠中の吐き気や嘔吐に対する本剤の使用に安心感を与えるものである」と同氏らは医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of Medicine)2月28日号に記している。

ニューヨークのロチェスター大学医療センター(University of Rochester Medical Center)に属する高リスク妊娠治療専門医ロラレイ・サンバーグ(Loralei Thornburg)博士によれば、本剤の胎児への有害作用に関する懸念はあまりないものの、服用を躊躇する女性がいるとう。

同氏は「我々が投与している薬剤は、体調を改善させ、妊娠第1期を快適に過ごせるようにし、嘔吐を抑制し、日常生活機能を維持できるようにすることを目的としており、今回の研究は実際に本剤が胎児にとって安全であるという確信を妊婦にもたらすものである」とインタビューで語った。

パステルナーク氏らによれば、オンダンセトロンは妊娠中における吐き気や嘔吐の治療に米国で最もよく使用されているが、こうした症状は全妊婦の過半数に起こり、催奇形作用(先天性奇形)のリスクが最も高い妊娠初期により多くみられる傾向がある。

しかし、オンダンセトロンの広範囲に及ぶ使用にもかかわらず、胎児への安全性に関するデータは比較的少ない。過去の症例対照研究で、オンダンセトロンと口蓋裂リスク増加との間の有意な関連性が示された。

オンダンセトロンの安全性を検討するため、本研究者らは2004年1月から2011年3月までのデンマーク全国登録簿のデータを検討した。解析対象となったのは608,385人の妊婦で、そのうち0.3%がオンダンセトロンを投与され、大半が妊娠第一期の後半に投与されていた。妊娠6週を満たす前に自然流産した女性は解析対象外とした。

妊娠中にオンダンセトロンを服用した女性と、服用しなかった女性との間の差を把握するため、本研究者らは傾向スコアという解析方法を用いた。各種評価項目の解析対象となったのは服用者1,233人~1,915人と、非服用者4,932人~7,660人であった。

この一対比較分析法の対象者の平均年齢は30歳であった。オンダンセトロン服用者のうち、過半数は悪阻(吐き気)および嘔吐により入院し、約40%がオンダンセトロン以外の制吐薬(メトクロプラミド、抗ヒスタミン薬、スコポラミン、またはドンペリドン)を投与された。

悪阻(吐き気)・嘔吐による入院とその他の制吐薬投与で補正すると、オンダンセトロン投与は検討された評価項目のリスク増加にどれも関連しなかった:

- 妊娠7週~12週の自然流産(オンダンセトロン服用群1.1%に対し非服用群3.7%、ハザード比0.49、95%信頼区間[CI]:0.27~0.91)

- 妊娠13週~22週の自然流産(服用群1%に対し非服用群2.1%、ハザード比0.60、95% CI:0.29~1.21)

- 死産(服用群0.3%に対し非服用群0.4%、ハザード比0.42、95% CI:0.10~1.73)

- 主要な出生時欠損(各群とも2.9%、有病オッズ比1.12、95% CI:0.69~1.82)

- 早期分娩(服用群6.2%に対し非服用群5.2%、有病オッズ比0.90、95% CI: 0.66~1.25)

- 出産時低体重児(服用群4.1%に対し非服用群3.7%、有病オッズ比0.76、95% CI:0.51~1.13)

- 新生児が妊娠期間に比べて小さい場合(服用群10.4%に対し非服用群9.2%、有病オッズ比1.13、95% CI:0.89~1.44)

本研究者らによれば、オンダンセトロン服用者における有意に低い自然流産率が、本剤の保護作用により得られたものであると解釈すべきではない。

「今回の結果は、オンダンセトロンを服用した妊婦が、服用しなかった妊婦と比較して、自然流産リスクが有意に低かった一方、抗ヒスタミン薬を服用した妊婦と比較するとリスクは同程度であったことを示している。したがって、吐き気および嘔吐自体が自然流産の低リスクに関連しているのであって、これらの症状に対するオンダンセトロン治療が関連しているわけではないという結論が支持される」と同氏らは記している。

今回の結果は、異なる投与時間枠や、人工妊娠中絶・死産における出生時欠損、抗ヒスタミン薬の使用、オンダンセトロン処方箋数を検討した各種感度分析で一貫していた。

本試験はデンマーク医学研究評議会(Danish Medical Research Council)から財政的援助を受けた。

著者らは利益相反のないことを報告している。

主な出典: 医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン(New England Journal of Medicine)


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