避妊ピル

避妊ピル

 

◆経口避妊薬(ピル)とは◆

経口避妊薬(ピル)は人工合成ホルモンを投与することによって、排卵抑制、受精卵の着床阻止、精子移動の困難化など女性の自然なホルモンバランスによる受胎能力に干渉し、一時的に女性ホルモンを妊娠した状態に保たせることによって自然な妊娠を阻害するものです。

妊娠に関与しているのが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)と呼ばれる二つの女性ホルモンです。

エストロゲン(卵胞ホルモン)は卵巣内で成熟していく卵胞から分泌され、排卵の準備や排卵を誘発するホルモンです。

一方のプロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵後に黄体へと変化した卵胞より分泌され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くするほか、妊娠が成立した場合には子宮収縮や次回の排卵を妨げて妊娠を維持させる役割を持っています。

経口避妊薬(ピル)の効果は、他の避妊方法と比較しても高く、正しく服用されていればその避妊率は99%以上ともされています。

さらにそのホルモンの変動を安定化させる作用によって、生理周期の安定、月経困難症(月経時の重い症状や、大量の月経血)、PMS(月経前症候群)を改善する作用や、ニキビの改善作用、子宮がん、及び卵巣がん発症率の低下といった副効用もあるとされています。

しかし、ピルの効用、安全性は個人の飲み合わせや相性も大きくかかわってくるため、その優劣は一概につけられるものではなく、医師との相談の上で自分に合ったものを見つけることが大切とされています。

 

◆経口避妊薬(ピル)の種類◆

1.混合ホルモン剤とミニピル

混合ホルモン剤とはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の両方を含み、これらの相乗効果によってより高い避妊効果をもたらすものをさします。

一方ミニピルとはプロゲステロン(黄体ホルモン)のみを含み、授乳中、血栓症、高血圧など避妊を必要としているがエストロゲン(卵胞ホルモン)が使用できない場合に使用されます。

 

◆混合ホルモン剤

◆ミニピル

ダイアン28錠タイプ 3ヶ月分

デポ プロベラ150mg 1ml

ヤスミン28錠タイプ 3ヶ月分

 

マーベロン21錠、28錠タイプ

 

トリキュラーED 28錠タイプ 3ヶ月分

 

ジネット35 21錠タイプ

 

ジュンヤ21錠タイプ

 

マ-シロン21錠、28錠タイプ

 

マイクロジノンEDマイクロジノン30

 

クリザンタ21錠タイプ

 

ヤーズ28錠タイプ 3ヶ月分

 

 

2.低用量ピルと中・高用量ピル

低用量ピルとは混合ホルモン剤に含まれているエストロゲン(卵胞ホルモン)が50μg未満におさえ、副作用を軽減した経口避妊薬(ピル)のことです。

一方、中・高用量ピルとはエストロゲン(卵胞ホルモン)を50-150μg含有する経口避妊薬(ピル)で、一般に不正出血や、月経前緊張症、月経困難症、子宮内膜症の治療などに用いられています。

しかし、高濃度のエストロゲン(卵胞ホルモン)による肝機能障害や血栓などの副作用の危険性も高いという欠点もあるとされています。尚、トヤマ堂さんどっとこむで販売している商品はすべて低用量ピルとなります。

 

◆1相性、2相性、3相性(段階型経口避妊薬)

さらに経口避妊薬(ピル)は含まれるホルモン成分の量の段階的な変化によって1相性ピル、2相性ピル、3相性ピルに分類されています。

1相性ピルとは1周期(1サイクル)間内のピルに含まれるホルモン成分の量が全て同じもの、2相性ピルとは1周期(1サイクル)間内のピルに含まれるホルモン成分の量が2段階に変化するもの、3相性ピルとは1周期(1サイクル)間内のピルに含まれるホルモン成分の量が3段階に変化するものを指します。

 

◆1相性

◆2相性

◆3相性

ダイアン28錠タイプ 3ヶ月分

 

トリキュラーED 28錠タイプ 3ヶ月分

ヤスミン28錠タイプ 3ヶ月分

 

 

マーベロン21錠、28錠タイプ

 

 

ジネット35 21錠タイプ

 

 

ジュンヤ21錠タイプ

 

 

マ-シロン21錠、28錠タイプ

 

 

マイクロジノンEDマイクロジノン30

 

 

クリザンタ21錠タイプ

 

 

ヤーズ28錠タイプ 3ヶ月分

 

 

 

◆ピルの世代と特徴◆

・第一世代ピル

1960年代に開発されたノルエチステロンを成分とするものです。

その作用が比較的弱いために、エストロゲン(卵胞ホルモン)を多く配合することによってその効果を高めていますが、多量のエストロゲン(卵胞ホルモン)を摂取することによる頭痛、吐き気、嘔吐などの副作用が現れやすい傾向があります。

その一方子宮内膜の増殖を抑える効果や出血量を大幅に減らす作用があるとされ、子宮内膜症の治療などに使用されています。

・第二世代ピル

第一世代ピルよりもその作用を強化し、ピルに含有されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の量を減少させる目的で開発されたのが、レボノルゲストレルを成分とする第二世代ピルです。

使用における不正出血の発現が他の世代のピルよりも少ないとされていますが、ニキビが出る、体毛が濃くなる、体重が増えるなどのアンドロゲン作用による副作用が現れやすいという欠点もあり、この欠点をカバーするために段階的に含まれるホルモンの量を変化させるといった工夫がされています。

・第三世代ピル

第一世代、第二世代よりも強力なプロゲステロン(黄体ホルモン)の作用を持つデソゲストレルや酢酸シプロテロン(サイプロテロン)を成分とするものです。

他世代と比較して体重変化やニキビ、不正出血の発生が少ないとされてますが、同時に血栓症の発生率が高いとの報告もなされています。

・第四世代ピル

ドロスピレノン、ジエノゲステルを成分とする薬です。

今までの世代の経口避妊薬(ピル)のニキビ、体毛、体重増加といった副作用の原因となっていたアンドロゲン作用が全くないうえ、ホルモン含有量が最も少ないため、ニキビ治療や月経困難症治療として用いられることも多いのが特徴です。

 

◆モーニングアフターピル◆

モーニングアフターピルとはいわゆる緊急避妊薬です。

避妊に失敗してしまった場合に服用することによって受精卵が着床する前に子宮内膜の剥離、排出を引き起こし妊娠を阻止する作用があります。

モーニングアフターピルの効果があるのは性交後72時間後までとされていますが、早期の服用であればあるほどその効果は高いとされています。

しかし、多量のエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が急激に投与されるため体への負担も大きく、吐き気や頭痛などの副作用も顕著であるとされています。