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2011-10-27

ソース(記事原文):カリフォルニア大学ニュースルーム

既存薬で遺伝性腎疾患を治療できる可能性

カリフォルニア大学ニュースルーム(2011年10月27日)― ゲイル・ガルシック(Gail Gallessich)著

サンタバーバラ発 ― カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者らは、別の適応で現在利用されている薬剤を用いて、遺伝性腎疾患の患者を助けられる可能性のあることを発見した。この結果は全米科学アカデミー会報誌(Proceedings of the National Academy of Sciences)今週号に掲載されている。

米国で60万人以上、そして世界中で1,200万人が、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)として知られる遺伝性腎疾患を発症している。この疾患は数千という数の嚢胞増殖によって特徴づけられるもので、やがて腎臓が衰弱し、全患者の半数は50歳になるまでに腎不全を引き起こす。常染色体優性多発性嚢胞腎は、米国における腎不全の主な原因の1つとなっている。

今回の発見を導いたカリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究室責任者トマス・ワイムス(Thomas Weimbs)氏は「現在、嚢胞形成を予防または遅延する治療法は存在しておらず、常染色体優性多発性嚢胞腎患者のほとんどは、生命を維持するのに腎臓移植または生涯にわたる透析を必要とする」と語った。ワイムス氏は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の分子・細胞・発生生物学部門と、神経科学研究所(Neuroscience Research Institute)の準教授である。

同氏の研究室における新たな研究により、腎臓嚢胞と、正常な腎臓組織との間に重要な違いのあることが明らかにされた。これまで免疫細胞に極めて重要になると考えられていたSTAT6シグナル経路は、腎臓嚢胞内で活性化される一方、正常な腎臓では休眠状態となることを同氏らが発見した。常染色体優性多発性嚢胞腎において、腎臓嚢胞細胞はSTAT6シグナル経路の持続的活性化状態で固定されたままとなり、嚢胞肥大と過剰増殖につながる。

関節リウマチへの適応で臨床的に承認されているレフルノミドという薬は、細胞内のSTAT6経路を阻害することが既に明らかにされている。また、ワイムス氏らのチームは、常染色体優性多発性嚢胞腎のマウスモデルにおいて、レフルノミドが、腎臓の嚢胞肥大を軽減するのに高い有効性を示すことも見出した。

ワイムス氏は「以上の結果から、STAT6経路は、常染色体優性多発性嚢胞腎を将来的に治療しうる有望な薬物標的であることが示唆される」としている。「STAT6経路を阻害する薬剤は、既存のものもあれば、積極的に開発されているものもあるため、今回明らかにされた可能性は特に興味深い」と続けた。


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