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2011-12-10

ソース(記事原文):ザ・シチズン

抗レトロウイルス剤に関する更なる研究が乳児の人生を変える可能性

モダンメディスン(2011年12月10日) ― インサイト(Insight)・特派員、シリアカス・ブグジ(Syriacus Buguzi)著

ダルエスサラーム ― およそ一世紀前、米国大統領エイブラハム・リンカーンはある感動的な発言をした。この発言は今日においても、特にHIVと共に生きる世界中の人々にとって重要な価値がある。「結局のところ、大切なのは何年生きられるかではない。いかに内容のある人生を過ごせるかが重要だ」。とりわけ、奴隷制度の廃止と、憲法・軍事・道徳の危機であったアメリカ南北戦争を経て国を率いることに成功したことで知られる、アメリカ16代大統領の言葉である。

今日のタンザニアでは、この名言は、エイズを引き起こすウイルスHIVを持って生まれたにも関わらず、大学に入るという念願を諦めない16歳の孤児、ラマダン・アリ(Ramadhan Ally)さんにとって、とても意味ある言葉となっている。

命を救ってくれた抗レトロウイルス剤の存在があり、人生を前向きに生きているからこそ、今のように経験のあるしっかりした青年になれたのであり、病気とうまく付き合うことを覚えたおかげでこのような性格になったのだとアリさんは認めている。

「僕は学業を諦めてしまっていましたが、抗レトロウイルス(ARV)剤と伯母からの財政援助のおかげで、今では将来自分が経済学者になる姿が想像できます」と、ダルエスサラームのゴンゴ・ラ・ンボト(Gongo la Mboto)地区の住民で、同地区のMajoe中等教育学校の2年生であるアリさんは語った。

アリさんのようなティーンエイジャーや子供たちのクオリティー・オブ・ライフを向上させる動きが、HIVの新規感染をゼロにしようという機運が重なっている中で、科学者らはエイズの治療薬・予防介入策として抗レトロウイルス薬の有効性を強調している。

最近出版されたHPTN(HIV 予防試験ネットワーク)046研究チームがタンザニア、南アフリカ、ウガンダ、ジンバブエで行った研究結果が抗レトロウイルス薬の有効性の活用への興味と努力の良い証言例である。同研究は、抗レトロウイルスの一種ネビラピンが持つ、人生を変えるようなもうひとつの可能性を明らかにした。

ムヒンビリ医科学大学(Muhimbili University of Health and Allied Sciences ;Muhas)での数年に及ぶ臨床試験を経て、研究者らは同薬のもうひとつの可能性を証明した。同研究者らによると、ネビラピン(抗レトロウイルス薬)の乳幼児への日々の投与を、通常6週間のところ6ヶ月間続けることで、HIV感染者の母親からの授乳による乳幼児へのHIV感染率が半減するのだそうだ。

「より長くネビラピンを投与することで、授乳を介したHIV感染リスクを75%減らすことが出来た」と、2007年2月に始まり今年結論が出た同研究の一部に書かれている。胃腸炎や肺炎等の感染症が幼児にとって命を脅かすリスクとなる発展途上国の母子たちにとって、この新しい研究結果は恩恵であると言える。

同臨床研究の研究長であるムヒンビリ医科学大学のカリム・マンジ(Karim Manji)教授はこの開発に関してコメントし、この世界的流行病に立ち向かうための礎は作られたと語った。「これらは科学的な、根拠に基づいた研究結果であり、救命と女性のエンパワーメントに関する比較的簡単な介入を提示しています」と、同教授はインサイト(Insight)に語った。

アメリカに拠点を置く研究機関である国立衛生研究所(NIH)との共同出資によって行われた同研究では、前述のアフリカ4カ国からの1,500組以上の母・乳幼児のペアが臨床研究に参加した。

同研究が行われる前は、乳幼児へのネビラピンの投与期間を6週間より延長することの有効性について直接的に評価されたことはなかった。

自身の研究の成功をもって、カリム教授は、ネビラピン投与期間の延長に関する研究結果が、次の母子感染予防(PMTCT)ガイドラインに組み込まれると期待している。「現存する2006年度のガイドラインでは、母体への高活性抗レトロウイルスの単回投与にしか言及されておらず、ネビラピンの継続的投与については言及されていません。ネビラピンの継続投与をガイドラインに組み込むことで、世界保健機構(WHO)のガイドラインを補強することになるので、現在改定中のガイドラインには組み込まれることになるでしょう」とカリム教授は強調した。

昨年、国連エイズ合同計画(UNAIDS)は、タンザニアに住む15歳以下の子供のうち20万人がHIVに感染しており、その内90%は母子感染であると推定した。乳幼児は子宮にいる時、出産の時、授乳期間に感染する。

この現状により、HIV/エイズを対処することが女性のエンパワーメントというコンテクストのなかでは災難となり、母子感染予防が健康と医療の視点からも重要となる。

男性は若いパートナーを選び、女性は年上のパートナーを選ぶので、感染率は上昇するばかりで、新しい世代が出産可能時期に到達する度に、HIV感染の波が大きくなる。

タンザニア・エイズ委員会(Tacaids)のリーガル・セクレタリーであるサム・コンバ(Sam Komba)氏は、女性の方が比較的HIVに感染するリスクが高いという理解を促すためには、ジェンダーへの配慮が必要であると論じている。同氏はさらに、立法と政策によって、法律は男女の憂慮に同時に対処しなければならないと語る。

「HIV/エイズ予防の法的視点が、国民そして法の施行者の間に根付かなければなりません。そして、ジェンダーの問題も法によって深刻に扱われなければなりません」と、ダルエスサラームで世界エイズデー会議に「エイズと法」に関する論文を発表した直後のサム氏がインサイト(Insight)に語った。

ルーク・コンスタンティン・バリエール博士(Dr Luc Constantine Barriere)は、国連の青年連合Youths’ United Nations Association(Yuna) によって開催された同会議で発言し、HIV/エイズと共に生きる人々の薬へのアクセスを確立するために必要な措置をとるよう権威者に迫った。「治療が必要な人々が医療サービスを要求しその人たちに医療サービスを供給できるようにするためには、政治的な強い意志が必要です」と、『新規感染ゼロ、エイズによる死亡ゼロ、差別ゼロ』と題された会議でのスピーチでバリエール博士は語った。

しかし、公衆衛生の専門家は、HIVに感染している人々が長生し、より高価な治療が必要になることで、治療費が継続的に跳ね上がると論じている。

新しい論文の中で、世界開発センター(Centre for Global Development: CGD)は、今日のような厳しい経済環境の中で、エイズ治療を必要とする人々にエイズ治療を提供する寄付者のコミットメントは、どんどん非現実的になってきていると指摘する。その困難に立ち向かうために、健康に関する政策決定者と医療関係者が、新しい感染症と戦うというひとつのゴールのための努力を再建する必要があると、同論文は示唆している。

さらに、これによりドナーエージェンシーから受け取り手の政府と健康医療従事者まで全てのレベルでの援助政策と実践が変わるだろうと同論文は示している。


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