がん(癌)/抗がん剤

がん(癌)/抗がん剤

◆がん(癌)とは◆

現在日本人の死因の第一位を占めているがん(癌)とは、何らかの要因によって生じた異常細胞(がん(癌)細胞)が無制限に増殖、発育し、周辺組織や遠隔組織を破壊することによって、生命の維持に致命的な影響を与える病気です。

がん(癌)細胞がバラバラの状態で増殖していく血液や造血器官に発症するがん(癌)と、固まり(腫瘍)を形成しながら増殖していく固形腫瘍との二つのタイプがあり、固形腫瘍はさらに、皮膚、粘膜、分泌腺上皮などの上皮細胞に発症する癌腫(カルシノーマ)と、骨、筋肉、結合組織、血管、リンパ組織などの非上皮細胞に発症する肉腫(サルコーマ)とに分けられています。

がん(癌)細胞の増殖は、自律性増殖浸潤転移、そして悪質液に特徴づけられています。

これはがん(癌)細胞が体の機能や健康を維持するために細胞同士が保っている増殖調節機能から外れて無秩序に増殖(自律増殖)し、周囲の組織にしみ込むようにして侵入、破壊した後(浸潤)、血液やリンパ液を通って他の臓器に移動して増殖を繰り返す(転移)うえ、増殖の際に正常細胞が必要としている栄養分を奪い取り、またトキソホルモンという毒素を発して体を衰弱させる(悪質液)という性質をもっているためです。

 

また、その増殖の進行具合によって4つの病期(ステージ)に分類されています。

第I期: 医学的には早期の腫瘍が小さく、周辺の組織への広がりは見られない

第II期: 腫瘍が比較的小さく、浸潤も周辺の組織にとどまっている

第III期: 腫瘍が比較的大きく、浸潤が隣接する臓器にまで広がっている

第IV期: がんが他の臓器に転移している、いわゆる遠隔転移がん(癌)に至っている

 

がん(癌)は原発巣の腫瘍を外科的手法によって切除したとしても再発を繰り返す確率が高い病気で、実際がん(癌)患者の約半数弱の人において再発が見られるとされています。

これはがん(癌)細胞によって形成された腫瘍が肉眼で確認されるまでに数年を要し、実際に原発巣の腫瘍が肉眼で確認された時点ではすでに目に見えないがん(癌)が他に転移している可能性が高いことによるものと考えられています。

加えて、このような転移、再発がん(癌)はがん(癌)細胞の数が非常に多い上、抗がん剤に対する耐性を獲得したがん(癌)細胞の出現、増殖もみられることから治療に困難を極め、結果的に根治できない場合が多くなっています。

 

がん(癌)の発症原因やその進行、そして治療については日々研究が続けられ、次々と新しい発見や治療法の開発がなされています。

その反面、解明途上の事柄も多く、現在では完全にがん(癌)の発症を予防する方法は確立されていません。

また、がん(癌)の遠隔組織への転移や再発を避けるためには早期発見、早期治療が重要とされていますが、早期はもちろん、かなり病状が進行してもはっきりとした症状が現れないことも多く、症状が現れた時点ではすでに手遅れといったことも多いとされています。

そのためがん(癌)の最も有効な対処方法としては、定期的ながん(癌)検診によるがん(癌)の早期発見が挙げられると共に、日常生活において喫煙、高脂肪、塩分過多などの食生活、飲酒、ウイルスなど、がん(癌)の発症率を高めるがん(癌)のリスクファクター(危険因子)を避けることが大切であるとされています。

 

◆がん(癌)の治療方法◆

がん(癌)治療は日々進歩しており、現在では手術療法を始め、抗がん剤による治療、ホルモン療法、放射線療法、免疫療法、温熱療法など様々な治療法が存在するようになっています。

しかし、その中でも最も一般的に用いられ、尚且つよく知られているがん(癌)治療法ががんの三大療法と呼ばれている薬物療法(化学療法)手術療法(外科療法)放射線療法です。

 

手術療法は腫瘍や、その周辺組織などを外科手術によって取り除くことによって根治を目指す方法で、特に初期のがん(癌)の治療法としては最も一般的、且つ効率的なものとされています。

放射線療法は、癌細胞に放射線を照射することによってそのDNAにダメージを与えがん(癌)細胞の発育や増殖を抑える療法です。

手術療法や薬物療法との併用でより大きな効果があるとされ、現在では根治目的として、また症状を和らげる緩和療法として用いられています。

薬物療法(化学療法)とはいわゆる抗がん剤、ホルモン剤、免疫腑活剤などの薬を用いた治療のことです。

その中心となる抗がん剤とは基本的にがん細胞のDNA合成や複製を阻止することによってがん(癌)細胞を死滅させる効力をもつ薬剤で、従来から転移によって全身に広がり、手術療法といった局所の治療のみでは不十分であるがん(癌)や、腫瘍を形成しない血液、造血器官のがん(癌)治療に用いられてきました。

三大療法はそれぞれ単独で用いられても効果的ですが、これらを組み合わせることによってさらに効果が上がると言われています。このように患者の年齢や病状に合わせて、適切な治療法を組み合わせて行うことを集学的療法と言い、現在ではがん(癌)治療の最先端となっています。

 

◆がん(癌)治療に用いられる薬◆

がん(癌)治療に用いられる抗がん剤には細胞障害性抗がん剤分子標的治療薬があります。

細胞障害性抗がん剤は従来から用いられているアルキル化剤や代謝拮抗剤、微小管阻害薬などで、がん(癌)細胞のDNA合成や細胞分裂を阻害することによってがん(癌)細胞の増殖、発育を抑制するものです。

これらの薬剤は一定濃度に達すれば確実に効果を発揮する反面、正常な細胞にまで損傷を与えてしまい副作用の原因となってしまうことが問題とされています。

この副作用を少しでも軽減する目的で開発されたのが、がん(癌)細胞特有のたんぱく質分子のみを標的として抗がん作用を発揮する分子標的治療薬です。

正常な細胞に与える影響が少ないことから、副作用の発現が少ないとされ、がん(癌)治療において有効な手段となりつつあるとされています。

 

抗がん剤の他にがん(癌)治療に用いられる薬剤にはホルモン剤があります。

これはがん(癌)の中に、体内で産生、分泌されるホルモンの作用によって増殖する種類があるためで、ホルモンの作用を抑制することによってがん(癌)細胞の増殖をコントロールします。

また、副作用の緩和手段としては制吐剤や鎮痛剤などが用いられることもありますが、このような薬物もがん(癌)薬物療法の一つになります。

 

がん(癌)の化学療法(薬物療法)で現在一般的に用いられている手法が複数の抗がん剤を組み合わせて使用する多剤併用療法と呼ばれる治療です。

これは種類の違う抗がん剤を使用することによる相乗効果、相加効果によって治療効果を高め、また副作用を最小に抑えられることによります。

 

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