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2013-11-15

ソース(記事原文):メディカル・ニュース・トゥデイ

低用量でも効果のある抗マラリア薬

メディカル・ニュース・トゥデイ(2013年11月15日) ― 新しい研究で、プリマキンという薬が、低用量でもマラリア伝染を防止するのに標準用量と同じ効果があることが発見された。

プリマキンは、マラリア原虫の感染ステージである生殖母体を標的とし、マラリア撲滅に重要なツールだと考えられている。

英国のロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(London School of Hygiene & Tropical Medicine; LSHTM)の研究者らが率いたこの新しい研究は、「ランセット・インフェクシャス・ディジージズ(Lancet Infectious Diseases)」のオンライン版最新号に掲載された。

マラリアのこのステージを標的とする薬剤はあまりないため、今回の調査結果は良いニュースであるが、残念なことに、標準用量のプリマキンはG6PDと呼ばれる酵素の欠損が引き起こす赤血球障害を有する人々の血球数を減らすことがある。

マラリアが風土病となっている地域では遺伝性血液疾患がよく見られ、そのため、こういった地域ではプリマキンの使用を制限されてきた。

この副作用のため、世界保健機関(WHO)はプリマキンの投与量を0.75 mg/kgから 0.25 mg/kgに減らすよう勧告した。しかし、低用量でのこの薬の有効性は、これまで正式に評価されたことがなかった。

LSHTMのウェルカム・トラスト(Wellcome Trust)臨床研究員である主執筆者アリス・チー・エジエフラ(Alice Chi Eziefula)博士は、こう言っている。

「これまで、安全性の懸念からプリマキンの使用は限られていたが、低用量での正式な試験はなされたことがなかった」

標準用量の半分のみで有効

この研究はウガンダのジンジャ(Jinja)で行われ、赤血球障害のない子供たちが抗マラリア薬だけで、またはプリマキンの三つの異なる用量のいずれか一つと併用して、治療を受けた。

次に2週間のモニタリングで子供たちのマラリア生殖母体を調べ、さらに2週間観察下に置いた。

この結果、プリマキンは用量0.4 mg / kg、つまり従来の推奨(標準)用量の約半分で、マラリア患者の伝染能力を低減する効果を持つことが示された。

チー・エジエフラ博士はこう述べている。

「マラリア感染を防止するためにプリマキンをどう配備するかという最適な運用戦略に関しては、まだもっと多くのわからない点がある」

次のステップは、赤血球障害のない患者において、プリマキンの現在のWHO推奨量0.25 mg / kgの有効性を評価し、その後、血液疾患を有する患者において、この投与量の安全性を試験することである。

共著者である、ウガンダのカンパラ(Kampala)の「感染症共同研究(Infectious Disease Research Collaboration)」のモーゼ・カムヤ(Moses Kamya)教授はこう述べている。

「本研究は、重要な最新の情報を提供している。この情報のおかげで、アフリカのマラリア流行国でのマラリア対策プログラムが、この命に関わる疾患に対処するための努力の一環として、プリマキンの使用を検討している」

ワシントン州シアトルにあるPATHの「マラリア抑制プログラム(Malaria Control Program)」のリチャード・W・スティケティー(Richard W Steketee)と英国リバプール大学熱帯医学校のフェイコ・ター・クゥィル(Feiko ter Kuile)は、同誌の同じ号に掲載されたリンクされているコメントでこう言及している。

「大規模マラリア治療キャンペーンは、アルテミシニン併用療法の完全な服用が確実に達成されることに焦点を置かなくてはならない。このため、我々は皆、プリマキンの単回投与と組み合わせることができ、直接監視下のマラリア療法として投与できる安全で非常に効果的な単回投与治療を歓迎する」

ウェルカム・トラストとビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)が、研究の資金調達を援助した。

最近発表された別の研究では、米国とイタリアの研究者らが、雌のマラリア媒介蚊に産卵を促す体内の分子スイッチをどうやって発見したかを説明した。このスイッチは、交尾中に雄のホルモンによってトリガーされるので、研究チームはトリガーを阻止すれば、蚊の繁殖が妨げられ、マラリアの拡散防止となることを示唆している。


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