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2011-11-14

ソース(記事原文):ヘルスデー・ニュース

ワルファリン投与に必要なモニタリング数は一部の患者で少なくてよい可能性

ヘルスデー・ニュース(2011年11月14日)― 抗凝固薬の投与量が安定している患者では検査を12週間間隔にしても良い可能性が高いという研究報告

セレナ・ゴードン(Serena Gordon)著、ヘルスデー(HealthDay)担当記者

抗凝固薬ワルファリンを投与している人のほとんどは、適正用量を投与されているか確かめるため4週間ごとに血液検査を受ける必要があるが、12週間に1回のみでも差しつかえない人もいることが新たな研究で示唆された。

モニタリング(健康状態を調べるための検査分析)の間隔を延長することは、ワルファリン投与患者なら誰でも選択できるわけではなく、6ヵ月以上にわたり同じ用量を投与された患者に限られることが、内科学会誌(Annals of Internal Medicine)11月15日号に発表された研究で示された。

本試験の主著者でオンタリオ州ハミルトンのマクマスター大学(McMaster University)血栓塞栓症臨床プログラム責任者であり、内科学教授のサム・シュルマン(Sam Schulman)博士は、「4週間ごとに通うのは困難な場合がある。4週間ごとにモニタリングを行ってきて高い安定性が認められた患者では、12週間ごとに通っても投与するうえで差のないことが明らかとなった」と述べている。

同氏は「北米にはワルファリンを投与している患者が200万人いるので、(次の検査までの)期間が延びれば、かなりの節約になるのではないかと考えられる」としている。

ワルファリン(商品名クマジン、Jantoven)は血液を希釈するので、血栓(凝血)を予防する一助として処方される。血栓は心臓発作や脳卒中の原因となる。ワルファリンの投与量が少なすぎると、血液が十分に希釈されず、血栓が形成される。一方、ワルファリンの投与量が多すぎると、血液が希釈されすぎて内出血リスクがある。

いったん適正用量が見つかると、一部の人はその用量をずっと保ち続ける。それ以外の人は、ワルファリンの投与量を絶えず変更する必要がある。シュルマン氏は担当患者の約3分の1で安定用量が認められるとしている。

患者のワルファリン投与量をモニタリングするために行なう4週間ごとの検査は、INR(国際正常化指数)モニタリングと呼ばれるものである。

今回の試験では、ワルファリンの投与量を増減せずに6ヵ月以上投与していた250人を対象とした。INRモニタリングを4週間ごとに受ける群と、12週間ごとに受ける群のいずれかに患者を無作為に割り付けた。

4週間ごとのモニタリング群では74.1%の確率でワルファリンの至適用量が認められたのに対し、12週間ごとのモニタリング群では71.6%であったことが示された。

本研究著者らは「12週間ごとのワルファリン投与量の評価は、安全であるとともに、4週間ごとの評価に劣らないように思われる」と記している。

ニューヨーク市のニューヨーク大学ランゴン医療センター(New York University Langone Medical Center)心血管系血栓症の責任者で助教のジェフリー・ベルゲル(Jeffrey Berger)博士は、「本研究は、どれぐらいの頻度で検査を受ける必要があるのかという質問への回答に多少寄与しているものの、血栓や出血事象に関する情報はない」と指摘した。とはいえ、血栓や出血などの合併症は稀にしか発現せず、これらの合併症リスクを長期観察して正しく評価するためには、より大規模な試験が必要である、と同氏は補足した。

「クマジンに代わりうる薬剤が増えつつある兆しが見えるなか、本試験は非常に重要であると思われる。また、薬剤間のトレードオフを解明するのに重要となる」とも述べた。

米国食品医薬品局(FDA)が、ワルファリンの代替薬として、ダビガトランエテキシレート(プラザキサ[Pradaxa])とバロキサバン(ザレルト)の2剤を認可している。ベルゲル氏は、新たにアピキサバン(エリキス[Eliquis])も近く承認される可能性が高いとしている。

新規薬剤は、投与量のモニタリングを必要としないが、ワルファリンよりもかなり高額である。シュルマン氏は、カナダと米国ではワルファリンが1日あたり約10セント(2012年5月の為替レートで8円)かかるのに対し、新規薬剤だと1日あたり3.60ドル(288円)もかかるとしている。

その一方、ベルゲル氏の指摘によると、毎月のモニタリングに費用がかからないので、最終的には新規薬剤のほうが費用対効果がよいかもしれないという。


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