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2014-06-13

ソース(記事原文):ダイアビーティス・イン・コントロール

ラノラジンでQOLが改善

ダイアビーティス・イン・コントロール(2014年6月13日) ― 糖尿病と安定狭心症を有する患者のラノラジン使用は有益

2型糖尿病(T2DM)と安定狭心症を有する患者を対象にラノラジンを検討した「TERISA試験(Type 2 Diabetes Evaluation of Ranolazine in Subjects with Chronic Stable Angina)」の結果から、この薬は狭心症の発生頻度とニトログリセリンの使用を減らすことが分かった。TERISA試験のデータを基に、研究ではこれら併存疾患がある患者のQOLと健康状態の改善効果についても調べた。

TERISA試験は14カ国で実施された無作為化二重盲検プラセボ比較試験であり、T2DMと慢性安定狭心症を有する患者をラノラジン投与群またはプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた。投与スケジュールは、8週間、1日2回1000mgであった。無作為に割り付けられた患者は全体で917人だった。この患者集団の構成をみると、平均年齢64歳、男性61%、99%が白人、平均A1c値は7.3%であった。健康状態とQOLについては、狭心症に関する質問表(Seattle Angina Questionnaire : SAQ)や呼吸困難の評価尺度(Rose Dyspnea Scale)のほか、健康関連QOLの尺度であるSF-36(Medical Outcomes Short Form-36)の各側面のスコアで評価した。スコアの比較には共分散分析を利用した。

全体で見ると、プラセボ群よりもラノラジン群のほうが狭心症の発生頻度が低く、治療満足度も改善しており、SF-36の身体的側面スコアも改善していた。また、SF-36の精神的側面スコアもラノラジン群のほうが改善していた(p値 .009)。SAQの狭心症頻度スコアについても、プラセボ群と比較するとラノラジン群のほうが10ポイント改善していた(67%対58%、p値= .004)。つまり、治療必要数は11となり、患者11人をラノラジンで治療すれば1人の狭心症が有意に改善するということになる。

TERISA試験は、患者集団のほとんどが白人という点を考えると限界がいくつかあった。さらに今回の研究は検出力が弱かった可能性もあり、そのため第二種の過誤が起きているかもしれない。にもかかわらず、ラノラジンはT2DMと安定狭心症を有する患者の健康状態とQOLを改善することが明らかとなった。狭心症の発生頻度が高く、服用している抗狭心症薬も多い患者の大半は、ラノラジン治療のメリットが大きい。

診療上有用なポイント
・ラノラジンは、2型糖尿病と慢性安定狭心症を有する患者において狭心症の発生頻度と舌下ニトログリセリンの使用頻度を下げる。
・ラノラジンを服用すると、患者のQOLと健康状態が改善する。
・ラノラジン使用による転帰は、狭心症が重症で複数の抗狭心症薬を服用している患者のほうが顕著となる。


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