ラノキシン250mcgの血中濃度における治療域と中毒域が非常に狭いため、容易に副作用を起こすおそれがあります。
実際の服用においては医師の指示に基づき、適切な量を服用するようにしてください。
【心不全】
・急速飽和療法
通常、心不全および正常洞調律の人において、最小限の毒性で最大の治療効果を出すための体内蓄積量は8-12mcg/kgです。
腎不全の人においては、ジゴキシン(ディゴキシン)の代謝や排泄のため、計画的体内蓄積量を控えめにしてください(6-10mcg/kg)。
服用量は数回に分け、最初の服用量は総服用量の約半分とします。残りは6-8時間の間隔を空けて服用してください。なおそれぞれの服用する前に、症状を充分に観察してください。
1回の理想的服用量は500-750mcgで、服用後30分-2時間で効果が現われ、その効果は2-6時間持続します。
充分な抑止効果が出るまで、125-375mcgを6-8時間ごとに服用します。
体重70kgの人が8-12mcg/kgの体内蓄積量を維持するために必要な服用量は、通常750-1,250mcgです。
・維持療法
維持療法における服用量は、毎日の排泄により失われていく最大体内蓄積量の割合で決定します。
維持量=最大体内蓄積量(服用量) x [1日当たりの消失量(%)÷100]
上記、1日当たりの消失量=14+Ccr/5
※Ccrはクレアチニンクリアランスで、体重70kgまたは体表面積1.73㎡で補正されます。
・心房細動
心不全および、心房細胞の人で心拍数のコントロール目的で服用する正常な腎機能の人におけるジゴキシンの最大体内蓄積量は8-12mcg/kgです。
心房細動の人の維持療法における服用量は、好ましくない副作用が出ない程度で理想的心拍数が得られる最大量としますが、確実な服用量に関する実験報告はありません。