ボベラン エマンジェル1%は有効成分をジクロフェナクナトリウムする非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で、各種関節炎や外傷後などの腫脹・疼痛などの症状を鎮痛・消炎する薬です。
関節炎とは骨と骨の接続部である関節の炎症を伴う疾病の総称です。
症状にも関節の痛みや腫れ、こわばりといった局所のみのものから、発熱、全身倦怠感、体重減少といった全身症状を伴うものもあり、またその原因もウイルスや細菌の侵入、リウマチ、関節の変形等、実にさまざまです。
一箇所の関節のみに症状が現れる単関節炎と複数の関節に症状が現れる多発関節炎とがあり、特に多発関節炎においては全身疾患の部分症状であることもあります。
そのため、治療にはまず原因を特定し、その原因に対する治療法が必要となりますが、原因が特定されない場合や関節のみの炎症である場合は、ボベラン エマンジェル1%などを用いた痛みに対する治療が中心となります。
関節のみの疾病である関節炎には変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘など)、筋・筋膜性腰痛症などが挙げられます。
変形性関節症とは加齢や肥満、過度の運動やや関節疾患などによる軟骨の摩耗や骨が変形による関節変形に伴う関節の痛みです。
特に膝関節など、体重を支えている関節に発症することが多い疾患と言われています。
肩関節周囲炎とは別名四十肩・五十肩などいわれているもので、40-60代に多く発症し、肩甲上腕関節などの肩関節とその周辺組織の炎症で、肩の痛みと、動きの制限を症状とする疾病です。
腱・腱鞘炎とは、関節を動かす筋肉の力を四肢に伝える紐状の腱や、腱の通り道となっているトンネル状の腱鞘と呼ばれる部分の炎症で、よく知られているものにばね指や、デケルバン(ドケルバン)氏病があります。
上腕上顆炎とは前腕を曲げる筋肉である屈筋群や、手首を内ひねりする時の回内筋群の使い過ぎによって発症する上腕内側上顆炎と前腕を伸ばす筋肉である伸筋群、及び手首を外ひねりする時の回外筋群の使い過ぎによる上腕外側上顆炎のことで、一般的にはテニス肘と言った呼ばれ方をしています。
上腕内側上顆炎の場合には運動時や作業時に肘の内側が痛み、逆に上腕外側上顆炎の場合には肘の外側の痛みが症状として現れます。
腰痛症とは椎間板ヘルニアや変形性精髄症などと言った明確な原因がなく発現する腰痛をさし、ほとんどが筋・筋膜性腰痛症であるといわれています。
筋・筋膜性腰痛症は筋肉のこわばりによる炎症とそれによって関節の可動不全が原因とされており、動作時に痛みが発生します。
関節炎における痛みや炎症が起きている部分では、知覚神経を過敏にするプロスタグランジンという物質が大量に作られます。
この物質はアラキドン酸という物質にシクロオキナーゼという酵素が働きかけて作られますが、ボベラン エマンジェル1%はこの酵素の働きを阻止し、プロスタグランジンの生成を妨げることで痛みと炎症を和らげる効果があります。