花粉症や蕁麻疹などの症状を抑える抗ヒスタミン薬は、眠気が起きやすいことが有名です。ヒスタミンは鼻水やくしゃみなどの症状を起こす原因ともなりますが、脳を覚醒させる働きも担っています。そのため抗ヒスタミン薬を使うとアレルギーの症状は治まるものの、脳を覚醒させる働きまで抑制されてしまうため、眠気が起きてしまうのです。
眠気が起こると集中力が低下するため、学業や仕事に影響が出てしまう方も少なくありません。抗ヒスタミン薬には大きく第1世代の抗ヒスタミン薬と第2世代の抗ヒスタミン薬とにわけられます。第1世代のものは昔からあるもので、強い眠気が出やすいことが特徴です。一方で第2世代の抗ヒスタミン薬は副作用の眠気が抑えられているものが多くあります。ベルタス20mgは後者の第2世代に属する抗ヒスタミン薬です。眠気が出にくいと言われている第2世代の抗ヒスタミン薬の中でも、もっとも眠くなりにくい医薬品として知られています。
添付文書にも運転や高所での作業に注意を促す文言の記載がなく、眠気や作業効率の低下がないとされているのが大きな特徴です。国内で販売されているビラノアの添付文書には、副作用の欄に眠気と記載はされていますが、臨床検査時は675例のうち4例(0.6%)の方にしか症状が出ておりません。眠気以外の副作用を合わせても675例中16例(2.6%)であることから、全体的に副作用が起こりにくい医薬品であることもわかります。
眠気が非常に出にくいことがもっとも大きな特徴ですが、ベルタス20mgの特徴はこれだけではありません。主成分のビラスチンには、服用してから45分後にはスギ花粉によるアレルギー性鼻炎を改善することが認められていることから、即効性にも優れていることがわかっています。季節性や通年性のアレルギー性鼻炎は投与開始1~3日目から症状の改善が見られました。蕁麻疹についても同様です。慢性蕁麻疹の症状がある方にビラスチンを投与したところ、こちらも投与を開始して1日目から優位に症状が抑えられています。ベルタス20mgを飲み続けても効果が途中で減弱することなく続くため、非常に使いやすい医薬品と言えるでしょう。
また1回復用するだけでアレルギー症状を抑える効果が26時間後まで持続するため、服用回数が1日に1回だけで良いことも特徴です。服用してから5時間後、12時間後、22~26時間後を観察しても、薬効成分を含まないものを服用したときと比べて優位にアレルギー症状が抑えられています。服用を開始して1~13日目のデータを見ても、何も薬を服用しない場合と比べて優位に症状が抑えられているため、眠気が出にくいにもかかわらず症状を抑える効果が高いとして注目を集めています。
ベルタス20mgは服用後、体内でほとんど代謝を受けません。成分の約95%は代謝を受けずに尿中や糞中に排泄されます。そのため他に服用する医薬品との相互作用が起こりにくいことも大きな特徴です。ただし他の抗ヒスタミン薬とは違い、空腹時に服用しなければなりません。ベルタス20mgは非常に食事の影響を受けやすいのです。飲むタイミングによっては十分な効果が現れないため、注意しなければなりません。