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2011-04-12

ソース(記事原文):英テレグラフ紙

パーキンソン病患者に希望を与える薬剤

英テレグラフ紙(2011年4月12日)―重いパーキンソン病に苦しむ数千人の人々が、ふるえを軽減する新薬の恩恵を受けられる可能性がある、と研究が示している。

スティーブン・アダムズ(Stephen Adams)

脳神経変性疾患であるパーキンソン病の患者440名を対象にした2年間にわたる試験により、サフィナミドが重いパーキンソン病患者の不随意運動を減少させることが明らかになった。

この試験では、患者はパーキンソン病治療に通常使用されるレボドパと毎日100 mgのサフィナミド、またはレボドパと偽薬のいずれかを服用した。

運動異常評価尺度(DRS)という評価方式ならびにこれ以外の検査により、被験者は全員が中期ないし後期パーキンソン病と診断されていた。

DRSは自立して話す、書く、食べる、服を着るなどの一連の動作ができるかについて、ゼロ(正常)から4(ほとんどいつも重度の不随意運動が起きる)に分類するものだ。

被験者全体で見ると全般的なDRS尺度には有意な改善は見られなかった。

しかし試験開始時に評価4だった患者は全体の3分の1を占めていたが、このうちサフィナミド+レボドパ服用群では、偽薬+レボドパ群と比べて運動障害が24パーセント減少した。

メルク社(Merck)と共同でサフィナミドを開発しているニューロンファーマシューティクルズ社(Neuron Pharmaceuticals)の顧問、ラビ・アナンド博士(Ravi Anand)は言う。「2年間の治療期間を通じてわかったのは、レボドパを始めとするドーパミン作動性治療薬に加えてサフィナミドを服用することで、振戦(ふるえ)と不随意運動に絶えず苦しめられている患者さんを助けることができるかもしれないということです」

ハワイで開催された米国神経学会(the American Academy of Neurology)で発表した際、同博士は、サフィナミドは「治験薬である」と表現した。サフィナミドについての臨床試験をさらに行う必要があり、すぐに利用できるようになることは期待できないという意味だ。

慈善団体である英国パーキンソン病協会(Parkinson's UK)によると、英国では約12万人がパーキンソン病と闘っているという。

パーキンソン病の原因は、脳の神経細胞が一部死滅することによる、ドーパミンという神経伝達物質の欠乏である。

この疾患は死の直接の原因ではないが、これに対する治療法はなく、症状は時とともに次第に悪化する。

パーキンソン病に関して医師向けの治療指針をまとめている英国国立医療技術評価機構(Nice)は、レボドパはパーキンソン病に対する「薬物治療の柱」だとする一方、レボドパの投与自体が「最終的に運動障害を引き起こす恐れがある」と注釈をつけている。

英国パーキンソン病協会の研究開発部長ミシェル・ガードナー博士(Michelle Gardner)はこう述べた。「パーキンソン病に見られる運動症状を運動異常と呼んでいますが、ある種のパーキンソン病治療薬の長期的な服用と関係しています。現在利用できる治療薬の痛ましい副作用なのです。運動異常が患者さんの生活の質に悪影響を与えることはわかっています。今回の新しい試験はサフィナミドの使用に関する以前の試験の延長として行われたもので、一番広く処方されているパーキンソン病治療薬であるレボドパとの併用効果がわかります。被験者のうちの少数が中程度の改善を示しただけではありましたが、この結果は新薬による治療に向けての有望な、新たな手段を示すものです。当協会はカーディフ大学(the University of Cardiff)が進める、運動異常を防ぐための研究に資金提供もしています」


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