以下の場合、バルトレックス500mgを絶対に服用しないください。
・バルトレックス500mgの成分あるいはアシクロビルに対して過敏症の既往歴のある人
【慎重服用】
・腎障害のある人: 精神神経系の副作用が現れやすくなります。また血液透析を受けている人は、腎機能、体重、臨床症状に応じてクレアチニンクリアランス10ml/min未満の目安よりさらに減少することを考慮してください。血液透析日には透析後に服用してください。
・高齢者: バルトレックス500mgは、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高いアシクロビルの血中濃度が持続するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・バラシクロビルの生物学的利用率はアシクロビル経口製剤よりも高く、またバルトレックス500mg(25mg/kg、1日3回)服用時のアシクロビル曝露量は、アシクロビル静注製剤(10mg/kg、1日3回)使用時と同程度となることから、副作用発現に留意してください。
・バルトレックス500mgの服用は、発病初期に近いほど効果が期待できます。目安としては、帯状疱疹の治療においては皮疹出現後5日以内に、また水痘の治療においては皮疹出現後2日以内に服用開始するのが望ましいとされます。
・単純疱疹の治療においては、バルトレックス500mgを5日間服用しても改善の兆しがみられないか、あるいは悪化する場合は、ほかの治療に切り替えてください。ただし初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、バルトレックス500mgを10日間まで使用可能とします。
・成人の水痘の治療においては、バルトレックス500mgを5-7日間、小児の水痘の治療においては5日間使用し、改善の兆しがみられないか、あるいは悪化する場合は、ほかの治療に切り替えてください。
・帯状疱疹の治療においては、バルトレックス500mgを7日間使用し、改善の兆しがみられないか、あるいは悪化する場合は、ほかの治療に切り替えてください。
・バルトレックス500mgによる性器ヘルペスの再発抑制療法は、性器ヘルペスの発症を繰り返す人(免疫正常者においては、おおむね年6回以上の頻度で再発する場合)に対して行なってください。またバルトレックス500mgを1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨されます。
・バルトレックス500mgの活性代謝物であるアシクロビルの曝露量増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高くなります。腎障害のある人または腎機能が低下している人、高齢者においては、バルトレックス500mgの服用間隔および服用量を調節し、状況を観察しながら慎重に服用してください。なお、一般に精神神経症状はバルトレックス500mg服用中止により回復します。
・腎障害のある人または腎機能が低下している人、高齢者、水痘の人などで脱水症状を起こしやすいと考えられる人は、バルトレックス500mgの服用中は適切な水分補給を行なってください。
・水痘の治療において、悪性腫瘍、自己免疫性疾患などの免疫機能の低下した人に対する有効性および安全性は確立していません。
・水痘治療におけるバルトレックス500mgの使用経験は少ないため、バルトレックス500mgを水痘の治療に使用する場合は、治療性の有益性と安全性を考慮して服用してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・性器ヘルペスの再発抑制に対するバルトレックス500mgの使用により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められています。ただし、バルトレックス500mgの服用中もセックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドームの使用などが推奨されています。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・免疫正常者において、性器ヘルペスの再発抑制にバルトレックス500mgを使用している際に再発が認められた場合には、1回500mg1日1回服用から1回500mg1日2回服用に変更してください。治癒後は必要に応じて1回500mg1日1回服用を再考してください。また、再発抑制に対してバルトレックス500mgを服用しているにもかかわらず、頻繁に再発を繰り返す場合は、症状に応じて1回250mg1日2回または1回1000mg1日1回服用に変更することを考慮してください。
・腎障害のある人または腎機能の低下している人、高齢者では、精神神経系の副作用が現れやすいので、服用感覚を延長するなど注意してください。なお、バルトレックス500mgの服用量および服用感覚の目安は以下のとおりです。また血液透析を受けている人に対しては、腎機能、体重または臨床症状に応じ、クレアチニンクリアランス10mL/分未満の目安よりさらに減量(250mgを24時間ごとなど)することを考慮してください。また血液透析日には透析後に服用してください。なお腎障害を有する小児におけるバルトレックス500mgの服用量、服用間隔調節の目安は確立していません。
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クレアチニンクリアランス(mL/分) |
≧50 |
30-49 |
10-29 |
<10 |
単純疱疹 |
500mgを12時間毎 |
500mgを12時間毎 |
500mgを24時間毎 |
500mgを24時間毎 |
帯状疱疹
水痘(成人) |
1000mgを8時間毎 |
1000mgを12時間毎 |
1000mgを24時間毎 |
500mgを24時間毎 |
性器ヘルペスの再発抑制 |
500mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/m㎥以上)には、500mgを12時間毎 |
500mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/m㎥以上)には、500mgを12時間毎 |
250mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/m㎥以上)には、500mgを24時間毎 |
250mgを24時間毎
なお、HIV感染症の成人(CD4リンパ球数100/m㎥以上)には、500mgを24時間毎 |
【その他の注意】
・海外において、バラシクロビルの高用量(8g/日)を用い、重度の免疫不全症の人(特に進行性HIV感染症)におけるCMV感染予防に対する臨床試験が実施されています。この試験において、バラシクロビルを長期間にわたり服用した人で、腎不全、微小血管溶血性貧血および血小板減少(ときに併発)の発現が認められています。またこれらの症状はバラシクロビルを服用していない同じ基礎疾患、合併症などを有する人においても発現が認められています。
バルトレックス500mgは、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高いアシクロビルの血中濃度が持続するおそれがあるので、使用間隔を調節し、状態を観察しながら、慎重に使用してください。またバルトレックス500mgの服用中は適切な水分補給を行なってください。
妊婦または妊娠している可能性がある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
バルトレックス500mgによる性器ヘルペス再発抑制療法中に妊娠し、その後も本療法を続けた場合の安全性は確立していません。
バルトレックス500mgの服用後、活性代謝物のアシクロビルが乳汁中へ移行することが報告されているため、授乳婦の服用は慎重に行なってください。
体出生体重児、新生児または乳児に対する安全性は確立していません。