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2014-01-01

ソース(記事原文):ペイン・メディスン・ニュース

ネオスチグミンが小児患者の術後鎮痛を延長する

ペイン・メディスン・ニュース(2014年1月) ― 鼠径部の手術後、小児患者にネオスチグミンをブピバカインと共に仙骨注射すると、ブピバカインのみと比べ、より良く、より長く術後鎮痛が得られた。この最近の調査結果は、洪水で中止となったカナダ麻酔学学会(Canadian Anesthesiologists’ Society)の年次総会で発表される予定であった。

「我々は、ネオスチグミンを2mcg/kgにて仙骨に注射すると術後鎮痛の持続時間が増し、鎮痛剤使用量を減少させることを見出した」と、ニューデリーにある全インド医科学研究所(All India Institute of Medical Sciences)助教授であるサチダナンド・J・バハラティ(Sachidanand J. Bharati)医師は述べた。

高用量のネオスチグミンは、低血圧、徐脈や呼吸抑制などの潜在的に重篤な副作用と関連している。「しかし、低用量で使用すればこのような副作用はない」とバハラティ博士。

研究者らは、尿道下裂手術、先天性ヘルニア修復術、内反足(CTEV)矯正手術を受けた子供40人を募った。患者らはアメリカ麻酔学会(American Society of Anesthesiologists)の術前状態分類で評価され、2つの群に分けられた。グループ1は0.25%ブピバカインを0.5 mL/kgにて仙骨注射し、グループ2は0.25%ブピバカイン0.5mg/kgを2 mcg/kgネオスチグミンと共に仙骨注射した。研究者らは、両群の鎮痛持続時間と鎮痛剤総使用量をモニターした。

補助的にネオスチグミンを投与したグループ2には、有意により長い鎮痛(423±30.1対242.75±16.42分)が見られ、追加の鎮痛剤の使用が有意に少なかった(160±113.8 mg対703±246.12 mg)。

「鼠径部の手術を受けた小児に仙骨ルートでネオスチグミンをブピバカインと同時投与すると、副作用を増大させることなく、ブピバカインのみよりも術後疼痛軽減効果を発揮する」とバハラティ博士は述べた。

ネオスチグミンに関連して疼痛軽減効果が高まることは、ブピバカインとは異なる作用機序に起因している可能性がある。「我々の試験で見られたネオスチグミンの仙骨注射の鎮痛効果は、脳脊髄液へ硬膜を介して拡散した後、脊髄レベルで直接作用することに起因している可能性がある」とバハラティ博士は述べた。「ネオスチグミンの脊髄送達は、内因性脊髄神経伝達物質アセチルコリンの分解を阻害する。このアセチルコリンは鎮痛作用を生成することが分かっている」

バハラティ博士は、ネオスチグミンは比較的安価で容易に入手できるので、補助的鎮痛剤として良い選択肢となるとも指摘した。「ネオスチグミンは低血圧、徐脈、呼吸抑制などの副作用の恐れがあることから、局所麻酔として(その潜在的なメリットと比較して)十分に活用されていない」とバハラティ博士。「しかし、低用量で使用すればこのような副作用はない。最大の利点は、安価で、手術にも容易に利用でき、室温で安定しており、他の薬剤と混合しても安定していることである」


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