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2013-06-12

ソース(記事原文):ニュース・メディカル

ニモジピンが熱性痙攣を軽減

ニュース・メディカル(2013年6月12日)― 普通薬が熱性痙攣を軽減

熱性痙攣として知られる発熱による幼児期てんかん発作は、それを目の当たりにする親にとって恐怖の体験となる。この全身痙攣は、主に生後6ヵ月~5歳の小児に起こり、ほんの数秒から最長40分以上持続する。現在では小児のてんかん発作を予防する目的で抗痙攣薬の連日投与は行われておらず、たとえ再発を繰り返す場合であっても同様であるが、これは既存薬の毒性副作用が潜在的有益性を上回るせいである。

てんかん発作は一般に発熱が38度を超えると起こることが分かっているものの、正確な作用機序は不明である。

このたび、米国神経科学学会誌(The Journal of Neuroscience)2013年6月12日号に掲載された新規研究で、ノースウェスタン大学医学部の研究チームは、ヒトへの新規治療標的につながる熱性痙攣の発生における新たな主要要因を特定した。さらに、一般に入手可能なL型カルシウム拮抗薬ニモジピンが、動物における熱性痙攣の発生率および持続時間を劇的に低減させることも同チームが明らかにした。

本研究の主著者でノースウェスタン大学フェインバーグ医学部(Northwestern University Feinberg School of Medicine)生理学準教授のマルコ・マーティーナ(Marco Martina)博士は「今まで、L型カルシウムチャネル(細胞中にカルシウムを流入させる膜孔)は、脳の電気的活動の開始に関与していないと大半の研究者らが考えていた」と語った。「我々は、これらの温度感受性チャネルの活性化は、実際に電気活動を後押しするものであり、電気活動の結果生じるだけではないことを示した。これにより、これらのチャネルは高体温に関連するてんかん発作に重要な役割を果たす可能性がある。その結果、幼児に対する一層優れた治療の開発を行うことで、負の転帰リスクを低下させられる」

熱性痙攣は米国における小児の約5%で発症しており、大部分は良性であるが、脳発達における長期的な負の転帰リスクを有する。

今回の試験で、ノースウェスタン大学のチームはラット海馬の電気的記録を使用して、大脳皮質における主要な神経細胞型である三角形状の神経細胞中の温度感受性L型カルシウムチャネルが、熱性痙攣に重要な役割を果たすかどうかを判定した。この観察結果は、一般にナトリウムチャネルを遮断することに焦点を当てている現在のてんかん薬物療法とは異なるもので、熱性痙攣に対する代替治療標的を提示するものである。

同チームが病因となりうるものとして神経細胞中のL型カルシウムチャネルを特定した時点で、この結果をもう一歩先へ進め、熱性痙攣の治療薬としてカルシウム拮抗薬ニモジピンを動物モデルに投与し、仮説を検証することとした。結果は目をみはるものとなった。ニモジピンはラット仔における熱性痙攣の発生率および持続時間を劇的に低減した。

マーティーナ氏は「素晴らしいことに、L型カルシウムチャネルを遮断するFDA承認薬は既に多く存在する」としている。「したがって、臨床試験で有効性が証明されれば、臨床ケアの重要な進展となりうる。ニモジピンなどのL型カルシウム拮抗薬は安全な薬剤であるため、熱性痙攣の小児は誰しも、高熱誘発性てんかん発作を阻止または予防するための治療を受けられる可能性があるとともに、コントロール不能な再発性熱性痙攣や長びく熱性痙攣による長期神経学的な転帰リスクを低下させると考えられる」

本論文の共著者でフェインバーグ医学部小児神経学準教授のスギョン・コウ(Sookyong Koh)博士によれば、今回の結果は特定の小児グループに役立つ可能性があり、具体的には、てんかん発作が発熱により誘発される遺伝的なてんかん症候群を有する小児で、ナトリウムチャネルに働きかける大半の抗痙攣薬が有害となる場合である。


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