ジメトリオーズ2.5mgは、子宮内膜症の治療に使用する経口ホルモン薬です。
子宮内膜は、子宮の内側を被っている粘膜で、来たるべき着床(妊娠)に備えて栄養を蓄え、1ミリ程度から1センチほどの厚さにまでに増殖します。しかし、妊娠が成立しなかった場合は子宮内膜の増殖した部分が不要となるため、血液と共にはがれ落ちます。これが月経です。
子宮内膜症は、本来であれば子宮の内側に存在すべき子宮内膜が、骨盤中の腹膜や卵巣、またまれなケースではへそ、肺、腸などの場所に増殖してしまう疾患です。
例え子宮内以外で子宮内膜が増殖しても、毎月の月経時には通常の月経と同じく剥離出血が起こり、排泄する場所がないために炎症を起こし、月経痛、下腹部痛、レバー状の塊が出る、腰痛などの症状が発生します。さらに生理の度に炎症が起こると、その部分を治癒しようと体の生理機能が働き、やがて癒着してしまうこともあります。
子宮内膜症が起こる原因については、子宮内膜を含んだ月経血の一部が卵管から逆流し、卵巣や周囲の臓器に留まって移植される、という子宮内膜移植説をはじめ、卵巣を包む被膜や、子宮、卵管などの臓器を包む腹膜の体腔上皮という組織が、何らかの原因により子宮内膜に変化する、という体腔上皮化生説などのほか、環境ホルモン説、アレルギー説などが今のところ有力ですが、詳しくは解明されていません。
またそれ以外にも食生活の変化や、初潮年齢低下、出産回数の減少、高齢出産などによる生涯の生理回数の増加といったライフスタイルの変化も、子宮内膜症の増加と関係があると考えられています。
子宮内膜症の治療は、再発を繰り返す場合や病状が進行している場合には手術療法が行なわれますが、それ以外は主に薬物療法を行ないます。
薬物療法は大きく分けて、鎮痛剤で生理痛を抑える対症療法および、体を閉経と同じ状態にする偽閉経療法や、妊娠に近い状態にする偽妊娠方法などの内分泌療法がありますが、ジメトリオーズ2.5mgは内分泌療法に使用されるホルモン薬です。
有効成分であるゲストリノンは、下垂体ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の分泌を抑制する合成ステロイドホルモンです。ゴナドトロピンとは、下垂体から分泌される黄体化ホルモンと卵胞刺激ホルモンを指し、月経周期をコントロールして卵巣に作用し、その機能を刺激する働きを持つホルモンです。
さらにゲストリノンは、構造的には経口避妊薬のノルゲストレルと関連しており、わずかばかりのアンドロゲン(男性ホルモン)活性と、黄体ホルモン様作用を示すプロゲストゲン活性を示しますが、子宮内膜組織に対しては抗プロゲステロン作用を発揮します。
黄体ホルモンは子宮内膜や子宮筋の働きを調整する働きを持つため、ジメトリオーズ2.5mgが持つ黄体ホルモン抑制作用により、子宮内膜症の症状を改善することができます。