ジトロマックス500mgは、マクロライド系と呼ばれる抗菌薬で様々な感染症との後天性免疫不全症候群(AIDS)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウスコンプレックス症(MAC)の発症抑制及び治療に用いられています。
感染症は、病原である微生物がヒトの体に侵入・増殖する事で不快な症状が現れる病気です。
ヒトが微生物に感染した際に感じる不快な症状は、「異物」を退けるための、体の防衛システムではありますが、感染した部位によって腫れや発赤・痛み・痒み・発熱などを起こします。
性器クラミジアは日本で100万人以上の感染者が報告されており、日本で最も多い性感染症と言われています。
1回の性行為で感染する割合が非常に高く、しかも自覚症状が乏しいことが感染拡大の最大の原因とされています。
またオーラルセックスにより咽頭にも感染するため、性器から咽頭、または、咽頭から性器への感染が増加しています。
性器クラミジアの症状としては、女性においてはおりものの増加や頻尿、性交時の痛みなどがあり、男性においては尿道炎による尿道の痒みや違和感などがあります。
ただし感染者の半数以上において、このような自覚症状が現れないため、発見が遅れた場合には不妊症なども重篤な障害を生じることもあります。
播種性マイコバクテリウム・アビウスコンプレックス症(MAC)は、非結核性抗酸菌のひとつであるMAC菌(マイコバクテリウム・アビウム・イントラセルラーレ)が原因の感染症で、全身のどこにでも病変を作る可能性がありますが、殆どの場合において、結核と同様に肺に症状が現れます。
しかし、結核と異なりヒトからヒトへ感染せず、また病気の進行は穏やかです。
ただし抗結核薬があまり有効に作用しません。
有効な薬が無いことから、患者数は増えており、重症者数も増加しています。
また、HIV感染者においては、AIDS合併症としての発症が問題になっており、自覚症状がまったくないことから、胸部検診や結核の経過観察中などに偶然見つかる場合があります。その症状として最も多いのは咳ですが、痰・微熱・全身倦怠感などもみられます。進行した場合は、呼吸困難や喀血・食欲不振・体重の減少・発熱などが現れます。
ジトロマックス500mgの適応菌・適応症は以下の通りです。
【適応菌】
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、クラミジア属、肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ)、マイコプラズマ属、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
【適応症】
性器クラミジア感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、尿道炎、子宮頸管炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、中耳炎、後天性免疫不全症候群(AIDS)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウスコンプレックス症(MAC)の発症抑制及び治療