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2013-06-05

ソース(記事原文):腫瘍学ナース・アドバイザー

GIST治療におけるイマチニブはアジュバント療法としても治療奏効維持生存を期待できる

腫瘍学ナース・アドバイザー(2013年6月5日)― ある群間比較試験の中間結果によると、限局性で外科的に切除した高・中リスク消化管間質腫瘍(GIST)の患者において、アジュバント療法としてのイマチニブは短期の無再発生存率に影響を与えるそうだ。高リスクのサブグループでは、イマチニブ治療奏効維持生存率に関して統計的に有意ではないもののアジュバント群のほうが良好な傾向にあった。試験結果は、イリノイ州シカゴで開催の2013米国臨床腫瘍学会年次大会(2013 American Society of Clinical Oncology Annual Meeting)において6月3日に発表された。

この試験では、「アジュバント療法として最初に使用したチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ)の効果が持続している生存率」という新しいエンドポイントが採用された。イマチニブには二次耐性という問題があり、現在、GIST患者の予後に影響する主な因子となっている。この二次耐性を組み入れるようデザインされたのが、今回のエンドポイントだった。

GISTは消化管壁の肉種であり、標準治療は外科手術となる。化学療法も放射線療法も、この病気の患者にはあまり効果がない。だが、欧州がん研究治療機関(European Organisation for the Research and Treatment of Cancer : EORTC)によるこれまでの試験で、標的療法、つまりチロシンキナーゼ阻害薬イマチニブは進行GIST患者の治療に有効なことが明らかにされていた。そこで理論上当然のこととして、イマチニブは限局性GIST患者における外科手術のアジュバントとしても有効かどうか検討することになり、「EORTC 62024」として知られる今回の第III相無作為化群間比較試験が次の一歩を踏み出した。

当初、この試験の主要エンドポイントは全生存であり、無再発生存率、無再発期間、毒性が副次エンドポイントだった。しかし2009年に、進行GIST患者の予後改善に注目した独立データモニタリング委員会(Independent Data Monitoring Committee)が、主要エンドポイントをイマチニブ治療奏効維持生存率に変更することを認めた。イマチニブ失敗は、「別のチロシンキナーゼ阻害薬による治療を開始した時」と定義された。

2005年から2008年にかけて、限局性で外科的に切除した高・中リスクGISTの患者908名を、イマチニブ治療群(イマチニブ400 mg/日、454例)か観察群(術後さらなる治療なし、454例)のいずれかに無作為に割り付けた。適格患者は計835名であった。

有意水準を1.5%とした「イマチニブ治療奏効維持生存率」という主要エンドポイントに従い、イベント発生数が115件となってから、事前に計画されていた中間解析を実施した。中央値にして4.7年間追跡したところ、5年イマチニブ治療奏効維持生存率はイマチニブ群で87%、観察群で84%であった(HR=0.80、98.5% CI [0.51; 1.26]、P=0.23)。

3年無再発生存率はイマチニブ群で84%、観察群で66%であった一方、5年無再発生存率はそれぞれ69%、63%であった(P<0.001)。5年全生存率は100%対99%であった。

限局性病変から高リスクGISTと判定された被験者は528名で、この患者グルーブの5年イマチニブ治療奏効維持生存率は79%(イマチニブ群)対73%(観察群)であった(P=0.11)。中央にて病変を精査した682例のうち高リスクGISTは336例で、その5年イマチニブ治療奏効維持生存率は77%(イマチニブ群)対73%(観察群)であった(P=0.44)。イマチニブ群では、毒性や治療拒否のため患者の17%が早期中止となった。


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