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2011-11-15

ソース(記事原文):モダンメディシン

アルツハイマー病との闘い

現在の治療手段と今後の狙い

モダンメディシン(2011年11月15日)― ジル・セダーストロム(Jill Sederstrom)著

アルツハイマー病は、毎年数百万のアメリカ人が罹患している重篤な神経変性疾患である。しかし、こうした蔓延にもかかわらず、アルツハイマー病の予防、もしくは原因となるダメージの回復のための薬剤は販売されていない。医師や薬剤師らは最良の治療選択肢を見つけ出すのに四苦八苦している。

現在、薬剤師が常備している薬剤は、よくても疾患進行の遅延が期待されるにすぎない。とはいえ、新たな疾患修飾性薬が、近い将来、疾患の攻撃方法を変えるかもしれず、薬剤師にさらなる治療選択肢が与えられる可能性がある。

アルツハイマー病協会(Alzheimer's Association)によれば、アルツハイマー病に罹っているアメリカ人は推定540万人おり、65歳以上のアルツハイマー病患者数は、2030年までに770万人になると予想されるという。

現在の治療選択肢

アルツハイマー病を治療するための疾患修飾性薬はまだ市場に出ていないが、症状を最小限に抑え疾患進行を遅らせることを目的とする薬剤は存在する。

アルツハイマー病の治療薬としてFDA認可を得た5剤のうち、4剤はコリンエステラーゼ阻害薬で、その作用は類似している。「これらのコリンエステラーゼ阻害薬は、認知症患者の脳内で影響を及ぼしているものの1つには、特定の神経伝達物質の産生能があるとする仮説のもとに作用している。特徴的な減少がみられる神経伝達物質の1つにアセチルコリンがあり、細胞シグナル伝達にとって重要なものである。コリンエステラーゼ阻害薬は、アセチルコリンを脳内で分解または破壊することにより経路を遮断する」とコネチカット大学薬学部(University of Connecticut School of Pharmacy)常勤教員のショーン・ジェフリー(Sean Jeffery)博士(PharmD, CGP, FASCP)は述べている。

ドネペジル塩酸塩(エーザイ社とファイザー社製造のアリセプト)、ガランタミン(ヤンセン製薬のラザダイン)、リバスチグミン(ノバルティス製薬のイクセロン)、タクリン(塩野義製薬のコグネックス)は、どれも軽度ないし中等度の認知症のアルツハイマー型に推奨される薬であり、臨床的観点からすると大差はない、とVAコネチカットヘルスケアシステム(VA Connecticut Healthcare System)の老齢期指導サービスで薬剤師としても働くジェフリー氏は話している。

同氏は「忍容性に差がある場合もあるので、その点が留意される」としている。

タクリンは、市場に出た最初のアルツハイマー治療薬であるが、今では通常使用されなくなっている。「同剤は1日に複数回服用しなければならず、関連する副作用もあることから、その後発売された薬剤ほど望ましいとはいえない」とミネソタ大学(University of Minnesota)薬剤師職能部門および薬科学部門の助教マイケル・スワノスキ(Michael Swanoski)博士(PharmD, CGP, FASCP)は述べている。

また、リバスチグミンはその投与方法に特徴があり、経口剤だけでなく、経皮吸収型パッチも販売されている。こうした選択肢は、摂食障害や嚥下障害のある患者に対する長期的な治療状況において役立つと考えられる。スワノスキ氏によれば、コリンエステラーゼ阻害薬に関連した主な副作用に吐き気があるが、一部の患者ではパッチ剤を用いることにより最小限に抑えられる可能性もあるという。

コリンエステラーゼ阻害薬のその他の副作用には、軟便、頻尿、失禁、明晰夢などがある。

アルツハイマー病の治療に用いる最終的な薬には、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬であるメマンチン(フォレスト製薬のNamenda)がある。同剤は中等度ないし重度のアルツハイマー型認知症が適応となり、単独投与か、もしくはコリンエステラーゼ阻害薬と併用投与する。

スワノスキ氏は「メマンチンをコリンエステラーゼ阻害薬と同時投与すると、コリンエステラーゼ阻害薬単独、あるいはメマンチン単独よりも有効性が高いことを示す証拠が存在する一方、コリンエステラーゼ阻害薬に忍容性のない患者の場合、メマンチンの単剤投与が選択される」としている。

メマンチンは、グルタミン酸の作用を遮断する働きをする。

「これはある毒性を減少させるものである。というのも、アルツハイマー病の脳内ではグルタミン酸のような神経伝達物質が、多すぎるか活発になりすぎることにより、毒性が生じると考えられるからである」 とミネソタ大学薬学部実験・臨床薬理学VFW寄付講座教授リン・リ(Ling Li)博士は述べている。

メマンチンの副作用には便秘があるが、薬剤師は同剤を投与する際に患者の投薬計画について把握しておく必要がある、とジェフリー氏は補足した。同氏は「メマンチンは腎臓で排せつされる薬物なので、患者のクレアチニンクリアランスを観察する必要があり、30未満であれば一般に調整しなければならず、尿をアルカリ化する薬剤でクリアランスを低下させる」と述べている。

実際の適用

コリンエステラーゼ阻害薬およびメマンチンが、一部の患者で疾患の進行を遅らせることが示された一方、全患者に効果があったわけではなく、どれほどの期間にわたり有効性が続くのかは分かっていない。

「この種の薬剤(コリンエステラーゼ阻害薬)投与での課題は、万能薬とはなりえない点にある。患者は軽度から中等度の初期改善が得られるかもしれないが、これは疾患が悪化する経緯が変わるだけである」ジェフリー氏は述べた。「わずかに進行を遅らせることができると思われる。6ヶ月~1年間は安定が得られるか、もしくは疾患進行の度合いが軽くなる可能性があり、これが一部の患者では重要になると思う。患者は家の中を整理整頓することが可能になる」

目標用量での投与が最も有効であることが判明しているので、開始用量に忍容性が認められれば、目標用量まで徐々に増量することが望ましい、とスワノスキ氏は述べた。

これらの薬剤の難題の1つは、治療の有益性が認められなくなり投与中止すべき時期を判断することにある。「投与開始し、来診時に定期的に精神状態を観察し、進行状況の程度を確認する。薬剤に対する忍容性が良好であるとみられ、患者に薬剤費の負担が可能であり、患者の家族が薬の有益性を信じている限り、我々は喜んで投薬をサポートしていく」とジェフリー氏は語った。

家族との相談で投薬中止を決めたことが一度あったが、いきなり完全に中止するよりも、まず投与量を減らすことが良策である、とスワノスキ氏は話した。同氏は「例えばコリンエステラーゼ阻害薬のうちのある薬の投与量を減らした場合、患者は混乱がひどくなり始めたり、厄介な行動をとり始めたりするので、その際はいつでも投与量を元に戻すことができる。一方、投与中止した場合には、投与前の状態に戻すのは実に難しい」としている。

ロングアイランド大学(Long Island University)薬剤師職能部門・薬理学の名誉教授で、ドラッグトピックス(Drug Topics)編集顧問委員会委員のジャック・ローゼンバーグ(Jack Rosenberg)博士は、これらの薬には独自の副作用があり、患者に大きな効果を与えるものではない可能性があるため、そもそもこれらの薬剤を使用すべきかどうかが論文で議論されているとしている。

「軽度ないし中等度のアルツハイマー病に対するこの種の薬剤の試みは、臨床医にとって適正であるのは明らかであり、ほんのわずかであるが患者に効果をもたらす可能性がある。この効果は最長1年間続く場合がある」と長期療養施設と介護施設での薬剤師業務にも携わるローゼンバーグ氏は述べている。

同氏は、コリンエステラーゼ阻害薬の効果を低減しうる薬剤を回避するため、担当薬剤師が患者の投薬計画全般を注意深く検討することが重要であると補足した。抗コリン薬はアセチルコリンの効果を遮断するため併用を避ける必要があり、具体的には特定の抗ヒスタミン薬、一部の過活動膀胱治療薬、一部の筋肉弛緩薬、より古い抗うつ薬などである。

開発中

アルツハイマー患者に対する現在の治療薬では大きな効果は得られないかもしれないが、研究者らはこの消耗性疾患に立ち向かう新たな方法を模索し続けている。現在、複数の薬剤が臨床試験での有効性の確立を目指して検討されている。

第3相試験中のバピネオズマブIV(Janssen Alzheimer Immunotherapy R&D社)は、軽度ないし中等度の症状の治療を目指し開発段階にある。バピネオズマブIVはβアミロイドに結合することにより作用するヒト化モノクローン抗体である。これはβアミロイドに対する抗体を患者に付与し、脳内の有毒なβアミロイドを消失させる構造になっている。同剤はβアミロイドがアルツハイマー病患者の脳内アミロイド斑を形成する原因でありうるという理論を基に検討されている。

別のヒト化モノクローン抗体であるsolanezumab(イーライリリー社)もまた、アルツハイマー病患者のβアミロイドを遮断して疾患進行を遅延しうるのかどうかを検討するための第3相臨床試験中にある。

免疫グロブリンIVであるガンマガード液(バクスター社)の第3相試験も実施されており、軽度ないし中等度のアルツハイマー病患者において認知機能が低下する速度を遅延しうるのかどうかを判定することを目的としている。

さらにエーザイと帝國製薬は、軽度、中等度、または重度のアルツハイマー病患者に対する治療として週1回のドネペジル(アリセプト)経皮吸収型パッチを検討している。しかし、FDA(米国食品医薬品局)は、アリセプトのパッチ剤については審査期間を満了したが、承認は期待されないとする完了報告通知を最終的に発行した。

将来の可能性

研究者らは、疾患進行を遅らせるだけでなく、早期発見と病状緩和にも役立つような別の治療選択肢の検討も行っている。

「βアミロイドはあらゆる機能障害の原因であり脳内に過剰に存在することでダメージにつながるとするβアミロイド仮説に、長い間皆が捕らわれすぎていたと思う」とジェフリー氏は述べた。「単にβアミロイドを排除しても病状は回復しないことが問題である」

免疫すなわち受動的ワクチンの分野でさまざまな研究が行われており、ワクチンが免疫系を刺激することでβアミロイドが攻撃され、病状の負担が軽減するか、もしくはアルツハイマーの症状が予防できるのかどうかが確認されている。ジェフリー氏によれば、ワクチン接種による挑戦は、重要な有害リスクを生じることなく、有効となる方法を見つけ出すのが目的であるという。

医薬品開発者は、ベータ(β)セクレターゼおよびガンマ(γ)セクレターゼ阻害薬が治療に役立つかどうかについても検討している。β・γセクレターゼは、アミロイド前駆体タンパク質の切断を促す酵素であり、これらの酵素を阻害することによりアルツハイマー病患者に有益となるのではないかと研究者らは考えている。

もう1つの治療選択肢となりうるものにスタチンがある。リ氏は、現在マウスモデルを用いてスタチン使用の可能性を更に検討している。動物試験ではスタチンの有益な効果が示されているものの、ヒト臨床試験では一定の評価が得られていない。

リ氏は、スタチンの種類や、治療開始時期、または治療期間が、治療成績に影響を及ぼすかどうかを判定することが重要になるという。同氏は「これら全てが最終的結果の重要な要因となる」としている。

別のアプローチが研究者らによって模索されており、これはインスリンの鼻腔内投与がアルツハイマー病患者の認知機能を改善しうるかどうかという問題を取り上げているものである。スワノスキ氏によれば、アルツハイマー病患者ではブドウ糖の機能が破綻しているという。インスリン鼻腔内投与はこうした病状の患者に期待できると考えられるが、その有効性について結論を導き出すよりも前に更なる研究が必要とされる。

また、研究者らは発病前に患者を特定する方法を発見しようともしている。患者の脳脊髄液中のβアミロイド値またはタウタンパク質値を観察するため、バイオマーカーの使用に向けた動きがある。また、脳画像診断についても検討されている。

現状では、アルツハイマー病は診断と治療が困難な疾患である。研究者らはいずれ有力な治療選択肢となりうる多くの可能性について引き続き検討している。


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